オストメイトの困りごととしてまず頭に浮かぶのは、便や尿の漏れや皮膚のトラブルなどストーマ管理に関することかもしれません。こういった困りごとは、オストメイトに関わる看護師さんなら相談されることも、実際に目にすることも多いかと思います。

しかし、看護師で結成されたNPO法人ストーマ・イメージアップ・プロジェクトの調査によると、オストメイトはそういった管理に関する悩みだけでなく、日常生活において様々な悩みを抱えているようです。

日常生活で困っていること上位は、以前は楽しみにしていたことが出来ないこと

上記調査によるとオストメイトが日常生活で困った経験のランキングは

1位　温泉に行けなくなった
2位　装具のもちが悪くなるため入浴回数や時間を制限している
3位　旅行が減った
4位　外出が減った

など、そのほとんどがストーマになる前はリフレッシュしたり楽しんだりしていたことが、やりづらくなっているというものです。

出典：『ストーマ保有者の困った経験の実態調査報告書　あなたに知ってほしい　ストーマとともに生きること』NPO法人ストーマ・イメージアップ・プロジェクト、2015年

他にも社会生活で困った経験では

1位「装具代が負担」に次いで、2位「仕事が手術前のようにできなくなった。」や3位「人の多いところはさけるようになった。」など、これまで当たり前にできていたことができなくなったというのが上位を占めています。

出典：『ストーマ保有者の困った経験の実態調査報告書　あなたに知ってほしい　ストーマとともに生きること』NPO法人ストーマ・イメージアップ・プロジェクト、2015年

このようにオストメイトの方々はストーマ管理の悩みだけでなく、人生の満足度に関わる悩みを抱えているようです。しかもこういった悩みはストーマ管理のトラブルなどと違って、個人的なものと諦めてしまいがち。
はっきり口には出さなくてもそういった悩みを抱えているオストメイトが多いという事実をまずは理解することが大切なのかもしれません。

このような悩みを持つオストメイトの方々には、面板を隙間ができないようにフィルムで補強することを提案してあげるのも一つの方法です。小さな一歩かもしれませんが、大きな不安である漏れに対する安心感が生まれれば少しずつでも行動範囲が広げられる方も増えていくはずです。

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