WISDOM 02 WISDOM 02 みんなの、使い方・工夫

「こんなときどう使う?」
いろんな工夫を、写真・動画でわかりやすく。

情報をチカラに WISDOM

医療用テープの使い方を教育するなら、どんな方法がいい?

医療用テープは使い方次第で固定が不十分になってしまったり、皮膚トラブルにつながってしまったり、注意が必要な場面も多くあります。
スタッフのみなさんに対するテープに関する教育はどのようにしていますか?

現在、医療・看護の現場で取られている「テープの教育方法」について、そのメリット・デメリットを比較してみました。
新型コロナウイルス感染症の拡がりにより、教育の実施方法などにお悩みの方の参考になればと思います。

テープの使い方教育、どんな方法がある?

テープの知識や使い方教育の際に、よく実施されている方法は以下の5種類です。

  • 集合型研修 会議室などに集まり、30分~60分程度のまとまった時間で知識を教育します。全体研修など多数のスタッフへの教育が必要な内容に向いています。
  • オンライン動画研修 研修動画を撮影し、電子カルテシステムやeラーニング用webサイトに掲載して見てもらう方法です。視聴履歴が残ったりテストを実施できたりと、使うシステムによって機能も多彩です。
  • ミニ勉強会 褥瘡委員会など各部署の代表者が集まる会議で5分~15分程度の教育を実施し、その代表者からスタッフに伝達してもらう方法です。具体的な事例や使い方の教育に向いています。ある部署だけで、良い事例を共有する場としても活用されます。
  • 書籍や資料の回覧 詰所や休憩室に置いておき、各自で見てもらいます。サインする欄を設けておくことで、全員が回覧したか確認できます。
  • メールやチャットでの情報共有 役立つ情報や資料をデジタルツールで共有します。電子カルテシステムに搭載されているチャット機能やLINEなどの活用も増えてきました。

これらの方法について、効果の高さ・教育者の負担の軽さ・受け手の参加しやすさの3つの視点から比較してみます。

効果の高さ を比較

教育1回あたりの効果の高さを比較してみます。

集合型研修 ◎ 知識の習得に高い効果が期待できます。カリキュラムを組んで体系的に教育できます。 オンライン動画研修 ○ 集合型研修に近い内容が教育できますが、学び方は個人に任されるため効果が小さい場合もあります。 ミニ勉強会 ◎ 実践テクニックを伝えることで、その日の処置から活かせる技術を教育できます。こまめに実施できるため、記憶に残りやすい分量での教育が可能です。 書籍や資料の回覧 △ 確かな知識を得やすい方法ですが、学ぶ意欲に左右され個人差が出やすくなります。 メールやチャットでの情報共有 △ 各自のペースで納得いくまで学べます。本人の学ぶ意欲に左右されるため個人差が出やすくなります。

1回あたりの効果の高さは、5種の方法で大きく違いがあります。
集合型研修は知識面での教育効果が非常に高く、多くの施設で実施されています。コロナ禍で集合型研修が実施できない場合は、効果の近いオンライン動画研修を代わりに実施している事例もよく伺います。
実践面での効果は少人数で実施するミニ勉強会を活用する施設もあります。良い事例をすぐに高い頻度で共有できるのも利点です。

教育者の負担の軽さ を比較

実施する場合の教育者の負担を比較してみます。

集合型研修 △ カリキュラムの構築から長時間の発表用資料作成・実施と、教育者の負担が大きくなりがちです。 オンライン動画研修 ○ 集合型研修と同じ内容を実施する場合でも、一度撮影した動画を活用することで発表の負担を軽減することができます。システムの利活用がまだ進んでいない施設では、システム運用自体の負担が大きい場合があります。 ミニ勉強会 ○ 資料作成が不要な場合もあり、1回あたりは短時間のため負担はそこまで大きくありません。部署内での良い事例を共有する場合はテクニックのある年長者が順に実施することで、1人当たりの負担を軽くすることもできます。 書籍や資料の回覧 ◎ 書籍の定期購読などを行えば小さな手間で済みます。新たな資料探索には書籍購入などの手間と時間がかかります。 メールやチャットでの情報共有 ◎ インターネット検索などを活用すると情報探索の手間と時間がごく少なくて済みます。情報の確かさを確認する手間がかかります。

継続的な教育には、教育者の負担が大きすぎないことが重要です。
集合型研修は同じ内容を実施する場合、2回目以降は負担が小さくなる傾向にありますが、他の教育方法に比べて負担が大きくなりがちです。
教育負担が小さい方法で効果を高めるためには、受け手が学びやすい分量や頻度に調整することも大切です。

受け手の参加しやすさ を比較

受け手の参加しやすさを比較してみます。

集合型研修 △ 決まった日時に参加する必要があり、交代勤務者などが教育を受けにくい場合があります。 オンライン動画研修 ◎ 配信後すぐから全員がいつでも確認でき、短時間勤務者や交代勤務者も自在に学べます。院外でも視聴できるシステムの場合、強制はできませんが通勤時や自宅にいる時間に学んでもらうことができます。 ミニ勉強会 ○ 業務の隙間に実施されるため参加しやすく、少人数で実施されるため実践的な質問もしやすい方法です。 書籍や資料の回覧 ○ 1人ずつしか読めない書籍の場合、全員の回覧までに時間がかかる場合があります。スタッフ同士で書籍や資料を共有するため、時間をかけて学べないことがあります。 メールやチャットでの情報共有 ◎ 配信後すぐから全員がいつでも確認でき、短時間勤務者や交代勤務者も自在に学べます。

受け手の参加しやすさは、日時に融通が効くほどおおむね高くなります。
書籍や資料の回覧、メールやチャットでの情報共有の場合、強制力が働きにくいため内容を朝礼や申し送りでフォローアップするなど、細かな工夫が必要となる場合もあります。


テープの知識や使い方教育の方法について、効果の高さ・教育者の負担の軽さ・受け手の参加しやすさの3つの視点からの比較内容をまとめると、以下のようになります。

テープの具体的な使い方はベッドサイドの実践で学ぶことも多いものですが、それぞれの方法にメリット・デメリットがあり、うまく組み合わせて活用することが大切です。
施設の現状や実態、教育者の仕事負担との兼ね合い、受け手が抱える課題や困りごとなどに応じて、施設に合った方法が取れることが理想です。

skinixでは、フィルムドレッシング材の部位別の貼り方資料や、Ω固定の説明・教育に活用できる情報を保有しています。
全ての資料の内容はwebサイトの「情報をチカラに」で閲覧することができ、ページ下部のアイコン「URLをコピー」を押していただければメールやチャットでの情報共有にもお使いいただけます。
「PDFダウンロード」からお申し込みいただければすべての資料をPDFでダウンロードできるようになり、印刷して回覧することも可能です。

テープの教育に活用できる情報・資料は今後も充実していきますので、教育に関する情報をお求めの方は、ぜひご活用ください。

「情報をチカラに」へのリンク

#医療用テープ #看護教育 #テープ教育 #テープが医療にできること、もっと。