WISDOM 02 WISDOM 02 みんなの、使い方・工夫

「こんなときどう使う?」
いろんな工夫を、写真・動画でわかりやすく。

情報をチカラに WISDOM

褥瘡対策を共通目標に。現場のゆとりと経営の安心を作るための「数字」とは

NEW!

褥瘡対策は「なる前に防ぐ」のが大切だとわかっているからこそ、日々の予防に力を入れられているのではないでしょうか。
しかし、実際の現場では予防ケアをすべてのスタッフに徹底するのが難しかったり、予防品を導入しようにも「新規でコストがかかる」ことが理由で経営層から反対されてしまったり…といった悩みもあるとよく耳にします。
こうした状況改善の鍵は、褥瘡対策を共通目標にすることです。現場には「手間」、経営層には「コスト」という、相手の関心ごとに応じた切り口で伝えることで、褥瘡対策を「自分ごと」として捉えてもらいやすくなります。

とはいえ、「褥瘡が発生したらたくさん手間/コストがかかる」と感覚だけで訴えるのも限界があると思います。
この記事では、この「手間/コスト」を具体的な数字で示しました。予防ケアを施設内で徹底する際の参考になれば幸いです。

●現場の視点:予防ケアで「1日あたり約80分」の負担をカット

現場で働くスタッフのみなさまも、「褥瘡は患者さんのために、そもそも発生させてはならない」という思いで、日々ケアにあたられているかと思います。
その高い意識に加えて、「褥瘡の予防は看護師自身の負担軽減にもつながる」という視点をプラスしてみませんか。データが裏付けるメリットを知ることで、より前向きに予防に取り組めるはずです。

ある論文(※1)によれば、脊柱管狭窄症の深部褥瘡が発生した患者の看護ケア量は、発生前と比較して約1.4倍にまで跳ね上がることが明らかになりました。さらに、脊柱管狭窄症の褥瘡のない患者と比べると、実に約3倍ものマンパワーを要するという結果も出ています。(出典:※1、図4より転載)

注目すべきは、増加した負担の多くが処置ではなく「日常生活援助」である点です。褥瘡によって「今までできていたことができなくなる」ことで、本来やりたかった看護が削られていく…。その影響は、他の患者へのケアや医療安全にまで波及しかねません。
予防ケアに取り組むことは、結果として「現場の負担を軽くする」ことにつながるのです。
例えば、「1日10分の予防ケアを徹底すれば、80分の追加業務の必要がなくなる」と言われれば、予防ケアの価値も変わってくるのではないでしょうか。

●経営層の視点:予防ケアは「数百万円規模」の機会損失を防ぐリスクマネジメント

病院経営の視点では、新しい予防品の導入は「追加コスト」として捉えられることもあるかもしれません。しかし、実は「質の高い予防」こそが、病院の経営資源を最も効率的に守る手段となります。

同論文(※1)によると、深部褥瘡患者は褥瘡のない患者と比べ、1日あたりの収益が最大約1.3万円も低いことが明らかになりました。(出典:※1、図1)

その主な要因として、以下が挙げられます。
・治療費:
褥瘡の治療や栄養状態の改善のために必要な投薬や材料は、DPC導入病院では包括支払いに含まれるため、使えば使うほど病院にとってはマイナスとなります。
・長期化による単価下落:
入院が長引くにつれて包括支払いの単価が下がり、出来高請求に移行するとさらに単価が下がります。

逆に言えば、褥瘡を未然に防いで適切な期間での退院を支援することは、病床回転率を高め、治療費を節約し、病院全体の収益性を最大化することに直結します。
もし褥瘡発生患者が占有していた1つのベッドをスムーズに次の患者へ回せていたら、収益は約1.5倍になるという試算もあります。(出典:※1、図3)

つまり、褥瘡対策の徹底は、1件あたり100万円超〜数百万円規模の機会損失を防ぐ、リスクマネジメントです。
「数百万円の損害を防ぐために、数千~数万円/月で予防品を導入する」と考えれば、それは単なる出費ではなく、病院の収益性を守り、より良い医療を提供し続けるための価値ある投資と言えるのではないでしょうか。

●持続可能な褥瘡対策を叶える手段

現場の意識がさらに高まり、経営層にも予防の重要性が伝わったなら、あとは「具体的に何を使うか」です。
新しく導入するにあたっては、確かな体圧分散性能はもちろん、現場が迷わず使える「運用しやすさ」と無理なく続けられる「コスト感」を兼ね備えた製品が理想的です。
そういった理想をバランスよく叶える具体的な手段の一つとして、シリコーンフォームドレッシング「プレスワイプ」や、MDRPU対策用クッションドレッシング「ココロールミル」といった製品があります。
詳細は以下からご覧ください。


現場には「手間」、経営層には「コスト」。相手の関心に寄り添い、視点を変えることで、褥瘡対策は誰もが自分ごととして取り組める共通の目標になります。
正しい対策が、現場の負担にならず、病院の利益にも貢献する。
そのような持続可能な褥瘡対策の実現に向けて、本質的な一歩を検討してみてはいかがでしょうか。

出典・引用文献:
※1武亜希子, 宇都由美子「特定機能病院における深部褥瘡発生が及ぼす入院収支と看護ケア量への影響」 医療情報学35(1): 31-36, 2015

本記事中の数値データは、上記の論文に基づいています。
なお、本研究は特定機能病院1施設における調査であり、各疾患群の深部褥瘡症例数は限られています。施設規模や診療内容によって数値は異なる場合があります。
個別の病院における具体的な損失額については、自施設のDPCデータに基づいた試算が推奨されます。

#コスト比較 #効率化 #医療用テープ #褥瘡予防